今に生きる菅江真澄こと、秋田のとんじい、よもやま徘徊日記 公園と森の散歩、秋田の祭り、行事、踊り

西音内盆踊りの囃し

TOP>秋田の祭り>祭りメニュー>西音内盆踊りのすべて>here

Add to Google

文字サイズ:

西音内盆踊り、地口とがんけ

毎年八月十六日から三日間、宵闇が町を包むころ、本町通りの十数か所に篝火がたかれ、やぐらから寄せ太鼓が鳴り出す。

保名風の鉢巻をして浴衣を着た幼い子供たちの踊りが始まる。

夜が深まるとともに、踊りの輪が広がり、やがて子供たちの姿が消え、濃い藍染の踊り浴衣や、あでやかな端縫い衣装に身を包んだ、乙女や大人たちが、彦三ずきんや鳥追傘に顔を隠して、踊りだす。

やがて夜も更け、十時を回るころには、囃しも冴えて、しなやかな手振り、足のさばき、流れるように緩やかな優美な踊りには、おばこ娘の初々しさと、妖しいまでの女の色っぽさがみなぎっている。

男衆の踊りはまた優美さの中に力強さを含んで、祭りに余情を加える。

情緒豊かなみちのくの夏の幻想、西音内の盆踊りには、人間の根源的な生の意識、思いを揺り動かす力があるように思います。

たとえて、古文風にいえば、「物狂おしい想い」とでもいいましょうか。これ、管理人がこの祭りを見ていつも感じる、実感です。

西音内盆踊りの囃しには「寄せ太鼓」「音頭」「とり音頭」「がんけ」の四つがあり、笛、大太鼓、小太鼓、鉦、鼓などが使われ、囃し方が特設やぐらの上で演奏する。

太鼓、笛とも稽古の甲斐あって、拍子がぴったりと良くあって、芸術の域まで達している。町をあげての後援の賜物であろう。

長い間の伝統がとてもよい形で守られているのがうれしい。
これも管理人の実感です。

このすばらしい囃しに、地口、または甚句の歌い手が加わり、太鼓打ちは浴衣に襷がけ、ほかは浴衣に肩衣を着てみんな向こう鉢巻の粋ないでたちをしている。

音頭の地口とがんけの唄の文句は古くからのものは数少なく、「地口」の内容は口から出放題の即興的なものや、ユーモアに満ちたもの、世間世事を風刺したもの、野趣情緒あふれるもの、素朴なエロティックなものなど多彩である。

地口、甚句集

  • 時勢はどうでも 世間はなんでも おどりこおどたんせ
      目本開びやく 天の岩戸も おどりで夜が明けた
  • 見れば見る程 優しいおどりで 拍子もおだやかに
      天下は泰平 五穀は豊作 百姓大当たり
  • 子供のおどりは 無邪気なものだよ 拍子は何でもええ
      どろんの太鼓で お手てを広げて ひと足前にゆく
  • おどりの上手も みめの良いのも 土地柄血筋柄
      何でもかんでも 嫁こを欲しけりや 此処からもらたんせ
  • どーんと響いた やぐら太鼓に集まるおどりこは
      馬音の流れに 産湯を使った きれいな嬢っこたち
  • 今年のおどり子ぁ 揃うも揃ろた 本当に良く揃ろた
      彦三頭巾に あでな編笠 振付ぁ日本一
  • かみよの昔に おどりこおどたば お日様顔出した
      それから毎日 おどりこ見でぁどて かかさず顔を出す
  • おどるてはねるて 若いうちだよ おらよに年いけば
      なんぼ上手に おどって見せだて 誰も見る人ね
  • おらえのじさまと 隣のばさまは よっぽど仲が良え
      お寺さ行くどて そば屋さ引っかがて 御布施で酒呑んでた
  • おらえのめらしこ 盆おどり始まりや 仕事さ手につかね
      太鼓の拍子で 腰巻縫ったば 表さ裏付けた
  • 内気なあんちやを 無理矢理引張って おどりこ見に行たば
      赤いけだしの おどりこ姿に えさなどもどる気ねぇ
  • 出雲の神様 おどり子見でぁどて はるばるやって来た
      上手におどれば 手帳さ控えて 嫁こに早くやる

一杯気嫌で おどこおどたば みなにほめられた
  いい気になりゃがて ほかぶり取たれば 息子におごられた

  • 隣の嫁こさ 盆おどりおせたば ふんどし礼にもらた
      早速持て来て かがどさ見せたば 横面なぐられた
  • 貧乏たらたら 一斗買いするたて 寝酒こ止められ無ぇ
      ふんどし質置いて 半分買った酒 板の間皆なめた
  • 嫌だ嫌だは 女の常だよ うそなら引張て見れ
      一寸引張れば 五寸もよて来て それでも嫌だとさ
  • 鉱山山師と 木材山師の 話しこ聞いたれば
      一人はラッパ吹く 一人はホラ吹く 聞く人あわを吹く
  • 夏は白服 冬は黒服 謝りゃ降服だ
      ふき大工ぁ屋根吹く めらしはみじゃふく めくされまなぐふく
  • んがえた奴と おらえんたやつと 料理屋さ飲みに行た
      酒の肴に なす漬け出されて しょぺぁがったなあ同役
  • 何処行くあねさん あゝなるからには よっぽど金かかった
      上から下まで こー薬だらけで じゃこうのにおいする
  • あんさんあんさん おどりこ見るたて そんなに口開くな
      今だばええのも 春先などだば すずめこ巣こかける
  • おらえのお多福ぁ めったにない事 びん取てかみ結った
      お寺さ行くどて そば屋さ引っかがて みんなに笑われた
  • あねさんあねさん お久し振りだよ あんさんまめですか
      そう言って別れて 後ろ見だれば 大きなけつだこと!
  • おらえのあんこぁ 嫁ことてから 夜遊びさにゃぐなた
      夜遊びどころか 嫁こが大事で 座敷さ飾て置く
  • 嫁こ嫁こと 三度呼ばたば ようやく返事した
      ゆべなの勝山 左さぶまげて おがわこたぎゃで来た
  • 南部茶釜は ロあんべぁえいどて 五徳さぶち上がて
      人目もかまわず いい気になりゃがて 水から湯をわかす
  • 玄米一升で 桃こを買ったば 三つ四つまけられた
      揚句の果には 袋を忘れて 親父にぼだされた
  • おら家の嫁こぁ おらでさ来てから 万作続きです
      それから間も無く 十月ばかりで 年子さふた子もた
  • 豊年だ 万作だ これあまたいい秋だ
      面白まぎれに もひとつおどたば かかぁ腹万作だ
  • わたしという奴ぁ わたしと云えども おまえの手にわたて
      焼けばはなれる 焼かねばこげつく なかなかこわい奴
  • 西モ内言葉を 黙って聞いてれば なんたらやらしぐねぇ
      えっぺぁならやんか びやっこなばだめだ んがだってんでねがしょ

※十時過ぎると、おどりもいよいよ熱気を帯びて来る。はやし方も冷酒が廻り調子に乗って来る。日頃のうっぷんが吐き出される。毎日の暮しから生まれた鋭い観 察が地口となる。

嫁と姑、親父と息子、亭主(てで)と家内(かが)あんちや(長男・跡継ぎ)あねさん(嫁さん)。あらゆる出来事や、うわさが見事に地口唄になる。面白可笑しさのなかに庶民のペーソスが感じられる。

普段はロも聞いて貰えない親方衆のあんちやもこの時は酒のさかなにされてしまう。昔は個人攻撃など普通だった。
「言われたくない奴あ、やぐらの後に五升だるぶらさげ」て勘弁して もらうものである。

  • お寺のおっさん まるめろ畑さ まるめろもぎに行た
      長い竿こで ぽっきりつじだば 同役落じで来た
  • じさまとばさまと 此の世の名残に 一発ぶっぱじめた
      腰はがくがく 息はハアハア あねえ水持て来い
  • ぎっちもちぎっちもち 板敷きあ ぎっちもち
      何だと思って あけて見たれば なすづけあ××してだ
  • 女ごというものあ 知らねぇ振りして 鬼よりまだおかねぇ
      生きた××× 生でまぐらて 似たようながきつくる
  • あんさんあんさん おどりこ見るたて そんなに立って見るな
      立って良いのは 電信ばしらと あんちやの××ばかり
  • おらえのあんこと 隣のあねこと 竹の子取りに行った
      竹の子とらねやで 昼寝こしてたら 何ぇだがおがて来た

一助二ぃ助 隣りの三助 んが又何だけな
  親父の三年 墓所も立てずに 大きな××立て

  • 地口やぐらで 地口を言うのは おらよな奴ばかり
      気の利いたあんちやは ぐりっと廻って 二三度やった頃だ
  • 文福茶釜を どっさり投げだば ばっさり毛が生えた
      和尚も長老も 閑居も小僧も これ見てたんまげた
  • 今年のさつきは 程良く雨降て 水引きも楽だった
      向こうのあねこも おらえのあねこも お蔭で万作だ
  • おらえのじい様 七十になっで だんだん若くなた
      嫁どさ行くどて 枕さつまじで おがわの小便かぶた
  • 学校の先生 ××××落として 生徒に拾われた
      生徒も生徒 小使も小使 なす入れてかやきした
  • 隣の姉っちや 滅多にないこと 縁側さ昼寝した
      風こが吹いたば 腰巻めぐれて 黒ねこ面出した
  • 白玉喰いにえご 白玉喰いにえご 白玉喰いにえたば
      Lから白玉 下から金玉 はらんなか玉だらけ
  • 地口と言う奴あ 口から出まかせ 音頭の無駄を言う
      言われてわりぃ奴あ 後さ廻って 一斗だるぶらさげれ
  • よい事わり事 地口やぐらで あんまりしやべてけな
      隣の嫁こぁ 何とか言われて 其の晩ぼだされた
  • 彦三頭巾に 振付姿は 誠にあでなもの
      誰や彼やは わからぬながらも おどりこ懐かしい
  • 高いやぐらの 絵灯篭が灯って 音頭がわき出れば
      川原田の方から 月が出て来て 雲からのぞいてる
  • 何処さ行っても 不景気話は せっぺあに聞きあきた
      三味線太鼓の おどりの拍手で不景気ぼってやれ
  • 三ケ月かかって おどりこ習たば ようやくものになた
      おどったお蔭で 腰あべぁいいどて 嫁こに貰われた
  • とーに年寄りの おどりこえぇどて みなでおだてたば
      本気になりゃがて 振袖持って来い 編笠早く出せ
  • 大太鼓小太鼓 笛に三味線 つづみにすりがねこ
      五拍手そろえて 音頭をかけたば 江戸中鳴りひびた
  • 取って来た 取って来た 一番取って来た           おらほのおどりこぁ 江戸の舞台で 一番取って来た
  • 振袖姿の おどりこ見たれば 不思議に若くなた
      拍手にうかれて 二足三足 知らねでおどていた
  • 信淵先生 生まれた西モ内 名物たんとある
      米こにまゆこ 酒こに糸こ 炭こにはしこです
  • 今年は豊作 田んぼを見渡せば 黄金の稲だらけ
      盆おどりおどって お祭り見てから うんとて稲刈りせぇ
  • あんさんあんさん 嫁ことるなら おれどこもらてけれ
      おどりもおどるし 歌こも唄うし お産も軽いから
  • さいそくちだだて 掛取りぁ来ただて 盆おどりぁ止められねゃ
      んだべでぁおめぇ おどりこやめだら 上作とり逃がす
  • いろりの本のひり 一本になったば ひばしを取寄せて
      いぶるのけぶるの 突いたり掘ったり ぶったりたたいたり
  • いろりの炭の火 どっさり起きたば おらてでぁ喜んだ
      大あぐらぶかいで 腹あぶりしながら どぶろぐまぐらてだ
  • おら家の娘こ 十六になったば 色気こついてきた
      てでなしごなど もつなと言ったば 年子さふた子もた
  • あんさんあんさん おどりこ見るなば よだれこふいてけれ
      知らない振りして おどってるあねさん 横目で笑っている
  • 鍋この種類は 飯鍋汁鍋あるいは かやき鍋
      世間のロ鍋 おらかが焼き鍋 てでどさむしりつく
  • いろりのふちこは 余念が無いとて おらてでぁだんじやぐだ
      朝から晩まで 向っすねこがして いろりとすね押しだ
  • 五徳という奴あ いい気なものだよ いろりの隅に居て
      茶釜こ乗せろか 鍋こ乗せろか ここらは思案どこ
  • なんにも知らない 振りしているのは 大星由良之助
      毎日毎日 島原通いも 心にすきがね
  • 大高源吾は 雪の降るとき しし払竹たぎゃて
      あした待たるる 宝舟とは こりゃまた橋の上
  • 岩永左衛門 阿古屋を責めるにゃ 胡弓に琴三味線
      おらえのばんばあ おれとこ責めるに 火ばしと灰ならし
  • 津軽の果から 長門の浦まで おどりこおどって来た
      花こ貰った 巾着見たりば 一両二分ひゃてだ
  • ハつにやかまし 親父を持たので 仲間さ義理かける
      朝まに起きれ 昼寝はするな 夜遊びするひまねぇ
  • 隣のあんこぁ 四十になるのも 笑顔見たことねぇ
      ぽんぽの額さ 嫁髪結たとき 始めてさと笑った
  • なんだで事ねく かがどこはだえだば 寝てから動きあがらねぇ
      今度のことあ 御免してこれがら うんとて動けかが

※地口には訳のわからないものも多い。即興句が出尽くして、上の句は出たものの、下につながらなくなり、ままよとばかり関係のないことを並べたりすることもあったろう。

やけくそ半分のもあるだろう。だがそれはそれで奇妙な可笑しみがある。狂歌や連歌に秀れた人が多かったし、鋭い観察眼と厳しい世相への批ゆ精神があった。

テレビなどのない時代情報伝達は「語り」であり、語りの世界は庶民でも容易に仲間に入ることができた。お天と様に左右される米作り、小作のつらさ、今年は豊年でも来年は凶作かもしれない。不安定な生活の中での「盆」は、生活の中の息抜きであった。

  • おめぁだち聞てけれ 恥ずかしながらも おらえのぼおとっつぁ
      酒こもばくちも さっぱり出来ねぇで ゆべ行てまだ来ね
  • いろはにほへと ちりぬるをわか よたれそつねならむ
      うゐのおくやま 今朝超えて 夢見てしょんべたれた
  • 秋田の町がら 西モ内まちさ 不思議なあきんど来た
      けつのだんこ 抜けらば抜けれ 刻みこんぶです
  • おひげを作って さむらいさんなら おらえにI人えた
      おどどし生まれた 虎まのふちこで ぎゃんぎゃねこぶりえぇ
  • 豊年だ 万作だ こりゃまたいい秋だ
      面白まぎれに 田さ行て見たれば 案山子のつぶくぐり
  • 西行法師が 富士のすそ野で 夢見て昼寝した
      かにに金玉 はさまれて醒めれば 田子の裏
  • 貧乏と云うものあ あさましものだよ 夜明けの忠臣蔵
      朝喰てばんない 米びつぁお軽で 体は由良之助
  • 院内峠に はっぱをかけたば がらだじぁ起きて来た
      これではならんとぐりっとむぐたばでぁんしょでけつ突いた
  • 懸賞募集の 地口作りも なかなかつらいもの
      三日三晩 飲まず喰わずで 目んたまぁ抜け出した
  • 五十六十は 若いものだよ 昔の娘達
  • おどりつかれて 腰こが痛けりや ぼさまこ頼んで置く

※川柳でも同じだが、時事的なものは、そのときタイムリーであっても、時が経つ と忘れられる。しかし、その当時を知るには又、格巧の資料にもなる。現在聞い ても名文句だと感じるものも多いし、名物名所を読んだ句で現在はそれが無くなったものでも、昔の西モ内を覚えている人には随分懐かしいものである。時事的なものには、軍国主義華やかな頃のものも多い。

  • 川原田の池には ひごいにまごい じょろじょろ遊んでいる
      たまには木陰に かさこそめかして 浴衣の鰹もいる
  • 西モ内名物 橋場万頭に 薄皮青万頭
      おらえの赤ちゃん またもまんじゆで しゅどかが大むくれ
  • 桜は川原田 つづじは原こで お酒は若返り
      一杯気嫌で 弥助そばだよ 土産はそば万頭
  • 二万石橋から 東を望めば 川原田稲荷様
      西は鳥海 北は七久保 南は原こ山
  • おめぁ達おめぁ達 行くたて来るたて 電車に乗ることだ
      白山権現 三輪の三社にあぐりこ稲荷様
  • 雄勝鉄道の 電車に乗ったば これなば気持ちえぇ
      雄物の川超え 稲穂の波わけ 鳥海雲に見る
  • ととこで糸とる 馬こで仔っことる 女郎衆は客をとる
      町でぁ盆おどり 人々集めて いろいろ人気とる
  • たんぽの百姓に 舞鶴公園 何処だと聞いたれば
      なんたらわがらねぇ 三里も先から つつじで真っ赤です
  • 秋田の西モ内 ほんとにいいどこ 皆さん来てたんせ
      湯沢の駅から 道のり二里半 電車三十分
  • どっこいどや箱 どっさりかついで どやさん何処へ行く
      隣りのばんばぁ 文福茶釜を ぶこした話聞で
  • みじやこのすまこの ざるこのひろこを 味噌こで和えたとさ
      表の座頭こに 喰わせて見せだば うまいと喜んだ
  • たんざの田吾作 いも作茂作は 橋場の橋見てた
      どんがりふんで見て 鉄筋コンクリって やっぱり堅えもんだ
  • コンクリートの 文化住宅 中には誰がいる?
      丈は三尺 廻りも三尺 小松の才の神
  • 仙道のばっぱ アンテナ見上げて じぃさん大変だ
      これしゃきっと 六尺坊主の 物干しざおだんべ
  • 国史に登った 学者の中でも すぐれた信淵さん
      生まれは何処だと 尋ねて見たれば 秋田の西モ内
  • 豊年万作 今年も上作 御嶽のお護りだ
      あげる御神酒は 「松の緑」に 鶴の「若返り」
  • おらえのじゃっちゃは 家相がわりどて 法華を取りよせた
      三百年先 その先しゃべたば じゃっちゃはしょべたれだ
  • いろりのかねがね かね出すときには くさいと嫌がられ
      それどもあねさん 口まで吸われて かがみで身を照らす
  • ロンドン条約 あちや行てもじやぐれ こちや来てまたもめる
      浜口首相も いざこざぶち投げで こさ来ておどた方えぇ
  • 大平の山から 納豆づと投げだば 西モ内糸だらけ
      アメリカやって来て 糸こ買ったば 西モ内大繁昌
  • 名物おどりは 数ある中にも 西モ内ぁ一番だ
      嫁こもおどるし 姑もおどる 息子はなおおどる
  • 稲作不作は どこの話か 西モ内万作だ
      それもそのはず 百姓の神様 信淵誕生地
  • 月はかくれで かがり火消えで 電灯も消えればえ
      みんなが逃げたら ほろっと二人で うんとておどるべしゃ
  • ひでりにひでり 毎年ひでりで 鹿内さ堤つだ,
      堤の御利益 かなったせいやら 今年は上作だ
  • アメリカ来たたて イギリス来たたて おらなのなってもにゃ
      正月年酒 お盆に盆おどり 出た秋恵比須こす
  • 西モ内盆おどり 日本一だと 云うだけやぼだんし
      絞りの浴衣に あみ笠姿で こさきて踊たんせ
  • あの子も年頃 おどる姿に 色気がにじみ出る
      燃える想いを 頭巾に包んで 今宵の盆おどり
  • 二〇〇海里だ 物価が上がって 魚こ高くなった
      隣のじさま ふんどし一つで 田んぼでどじょうことり
  • 土用の丑の日 おらえのおばまた うなぎこ食べに行った
      張ってた値段に どてんびっくり 親父で我まんした

※地口の数は正確になどわからない。何百年もの間うたわれたものもあればつい 最近のもある。語り継ぎ、聞き継ぎしてゆくことは、先人の志を大切にする義務でもあろう。

  西馬音内はニシモナイであるが地口をやるときは「ニシモニャ」と発音する場合が多い、もっと土地風に言えば「ニシオニャ」と聞こえる。同じように「ボンオドリ」は「ボオドリ」か「ボンドリ」になる。どちらも字余りからくる語呂の調子である。

がんけ

西馬音内盆踊り
  • 揃ろたそろたョ おどり子ぁ そろた稲の出穂より ササ なお そろた
  • 振れや 振れ振れ 背丈のそでを ここで振らぬで ササ どこで振る
  • ほれた ほれたョ あのおどり子は 顔は知らねど ササ 忘れられぬ
  • 浮かれ 浮かれて おどりていたら 夜明けからすが ササ アホと鳴く
  • あでな編笠 しぼりのゆかた 呼んで見せたや ササ あのおどり姿
  • 太鼓やぐらで おどり子見れば 秋の実りの ササ 稲のよだ
  • お盆恋しや かがり火恋し ましておどり子 ササ なお 恋し
  • おどる 姿に ひと目でほれた 彦三頭巾で ササ 顔知らぬ
  • 月は 更けゆく おどりはさえる 雲井はるかに ササ かりの声
  • オジャレ かがり火 懐かし恋し またと会うやら ササ あわぬやら
  • こよい一夜を まけずにおどれ オジャレかがり火 ササ 消えるまで
  • こよい一夜は 性根の限り おどれ東の ササ 白らむまで
  • おでれおどれよ 夜の明けるまで 響く太鼓に ササ 月がさす
  • おどって見たさに 盆おどり習った やっと覚えたば ササ 盆が過ぎた

子供の鉢巻と彦三頭巾

彦三頭巾、子供の鉢巻
  • 【子どもの鉢巻」
    子どもたちは、普通顔を隠さないで手拭で鉢巻をして踊る。
    結び方は、図の様に頭囲をひと巻さして、左側に折り目開きともに上に向けて方返し結びにする。
  • 【彦三ずきん(ひこさずきん)」
    現在は殆んど黒シンモス並巾を用いる。かぶった際、目をのぞかせる「明き」を作り明きの真中に日立だないボタン等をつけて左右
    の区切りとする。なお昭和初期頃まではあさぎ染、或は細かい
    籠目・亀甲等の日在たない柄物も用いられたりもした。縦六ツ折にした手ぬぐいで鉢巻をする。

追記

オジヤレは迎え火、盆の十六日のは送り火となる。この火で焼いたおにぎりは、風邪除けとされる。故郷から出た人達は、正月には来なくともお盆には帰りたいという。

不思議なもので、他所からお嫁になって来た人は何年住んでもその自分の娘や息子よりおどりが下手か、もしくはおどれない。この土地に生まれると、よちよち歩きの頃からおどるのだ。

″がんけおどらば三十が盛り″というが、七十過ぎても、歩ける限りはおどる。最後の夜おそく、目立たぬ処でひっそりと、昔のままの本当のおどりをおどる老母の姿には、華美さはなくせい絶な感じさえある。 この盆おどりは正に″スズメ百まで″なのだ


powered by HAIK 7.1.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional